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2016年11月17日

その他 太陽光発電所の不良パネルを特定する点検装置

株式会社アイテスが開発する、太陽光パネル点検装置『ソラメンテ』が、メガソーラーをはじめとした総合的なエネルギー事業を展開する株式会社NTTファシリティーズからの受注を獲得と発表しました。

太陽光発電所の不良パネルを特定する点検装置『ソラメンテ』が、太陽光パネルシステムの構築から監視・保守まで一貫したソリューションをもとに、O&M(*注.1)事業を全国で展開する株式会社NTTファシリティーズの試験的な導入テストで好成績を収め、正式に採用されることになりました。『ソラメンテ』を開発する株式会社アイテスでは、今後も必要とされるメンテナンス体制をサポートするため、わかりやすく正確に故障部位を特定できるシステムの開発を進めていきたいとしています。

同社の開発する『ソラメンテ』は、交換すべき故障パネルを素早く見つける点検ツールです。2015年より株式会社NTTファシリティーズ(以下、NTTファシリティーズ)にて試験導入され、他の測定ツールと組み合わせて保守業務を請け負う525MWの発電所(*注.3)の不良パネル探索に活用されてきました。

このたび、不良パネル探索における正確性やスピードが総合的に評価され、点検のための主要機器として正式に採用が決定しました。同社では、2016年12月までに「ストリングチェッカー:ソラメンテ-Z」、「ソーラーパネルチェッカー:ソラメンテ-iS」の出荷をNTTファシリティーズが運営する全国 7支店に配備する意向です。

NTTファシリティーズでは、『ソラメンテ』を活用した不良パネル探索のノウハウをもとに提供している「太陽光発電所診断サービス」や「不良パネル探索サービス」の強化を行い、今後拡大するメガソーラーの保守運用ニーズに着目したO&Mビジネスの拡大を進めています。


同社は、1993年に日本IBM野洲工場の品質技術部門から分離独立した解析・分析メーカーです。これまで太陽光パネルメーカーや公的研究機関との共同研究を通じて培った太陽電池の知見を生かし、小規模からメガソーラーの太陽光発電所まで、故障パネルを短時間で1枚単位まで特定できる点検装置「ソラメンテ」を開発しました。

2012年のFIT(自然エネルギー固定価格買取制度)施行から爆発的に増えた産業用太陽光発電は、売電価格の低下と改正FIT法(*注.4)により2016年には新規着工件数が減少している一方で、既設発電所の健全な発電維持が命題となる中、O&M事業が立ち上がろうとしています。

太陽光発電の出力維持には故障パネルの特定と速やかな良品交換が必須であり、市場の需要の高まりに応じて、機器メーカー各社からさまざまな点検装置が紹介されています。

同社は日照変化による発電出力の揺らぎなどの影響を受けにくい、独自のインピーダンス測定による故障パネル特定技術を開発し、本技術を搭載した太陽光パネル点検装置『ソラメンテ』を2014年に販売開始しました。

同年4月の販売開始から現在にいたるまで、小規模からメガソーラーまでの保守メンテナンス会社を中心に960台以上の導入実績を得ています。

同社では、この故障パネル点検手法を実質業界標準として位置づけ、太陽光パネル点検装置『ソラメンテ』を、20年間の発電量維持管理を行う産業用太陽光発電所のO&Mビジネス関連の企業や協会団体を中心に、今後堅調な市場ニーズがあるとして、2017年も年間1000台以上の販売を見込んでいます。


■ 太陽光発電はメンテナンスが重要 『ソラメンテ』が求められる背景

前述の通り、FIT法のスタート直後にはエネルギー関連企業だけでなく、さまざまな業界から太陽光発電への新規参入がありました。2016年4月の国内統計では、約20ギガワット以上の太陽光発電所が稼動しており、認定済み未稼働の発電所を含めると実に80ギガワットが稼動しようとしています。(*注.5)

急速に普及した産業用太陽光発電所は、その施工会社、パネルメーカーによっては大きく品質に差があり、稼動後の施工不良やパネル不良などの問題を抱えている発電所も少なくありません。

また、資源エネルギー庁では、20年間の電力買取期間中、初期の発電性能を維持するためのメンテナンス体制を有することを設備認定の条件としています。(*注.6)

しかしながら、メンテナンス全体の体制不備や、太陽電池に対する知識が十分にないままの点検が行われており、放置された故障パネルと発電量が低下した発電所の事例も多数顕在化しています。

日本政府が進めるエネルギーミックス政策により、太陽光発電の固定買取価格の段階的な引き下げが施行される中、低圧を中心とした中小規模産業用太陽光発電については建設の着工が進みましたが、スーパーメガといわれる超大規模発電所(2MW以上)については認定数に対して着工率は約10%未満であり、新規建設はあと数年続くと予想されています。

2016年6月に資源エネルギー庁より施行された改正FIT法 (*注.4) においても、事業開始前の審査に加え、事業実施中の発電所の点検・保守が義務化され、違反時の改善命令・認定取り消しも可能とする規定となりました。(*注.7)

以上のように、太陽光発電を長期にわたる健全なエネルギー源とするためには、確実な保守点検が欠かせません。これらの課題を解決するために、複雑な操作を必要とせず、迅速に問題箇所を摘出できる『ソラメンテ』が開発されました。


(*注.1) Operation & Maintenance (点検保守)
(*注.2) http://www.ntt-f.co.jp/service/power_generation/ 
(*注.3) http://www.ntt-f.co.jp/service/power_generation/oandm/ 
(*注.4) http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/kaisei.html 
(*注.5) http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html 
(*注.6)
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/nintei_setsubi.html#setsubi 
(*注.7) 再生可能エネルギーの導入促進に係る制度改革について、平成28年6月 資源エネルギー庁
http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/020/pdf/020_007.pdf 

(プレスリリース)
株式会社アイテス
http://www.solamente.biz/

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