
米テスラが太陽光発電型充電ステーションを稼働
米Tesla Motors(テスラ・モーターズ)社は、電気自動車(EV)の「Model S」専用の充電ステーション「Supercharger」を米国カリフォルニア州の6カ所に設置したと発表した。90kWという大出力を用いることで、30分で蓄電池容量の1/2の充電を可能にした。蓄電池の容量が85kWhのModel Sの場合、その1/2の電力量は走行距離にして150マイル(約240km)分に相当するという。今後、全米の州間(interstate、IS)道路沿いを中心に順次設置箇所を増やし、2015年までに計100カ所の設置を目指す。
「今まで秘密にしてきた」(Tesla社)という充電ステーションは、現時点ではカリフォルニア州のサクラメント市とロサンゼルス市を結ぶIS「I-5」沿いまたはその周辺に4カ所、そしてサクラメント市とネバダ州のリノ市を結ぶ道路沿いと、ロサンゼルス市とネバダ州ラスベガス市を結ぶ道路沿いに1カ所ずつ、計6カ所に設置した。1カ所で同時に4~6台のEVに充電できる。当面、利用者は無料で充電できる。
90kWという充電時の出力は、これまでのTesla社のクルマでの大容量充電仕様「Twin Charger」の4.5倍という大きさ。既存の充電システムに大電流専用のバイパス用ケーブルを実装することで可能になったとする。「将来的には、120kWの大出力も流せるようになる」(同社)。
充電ステーションの設置は、太陽光発電システムのシステム・インテグレータである米SolarCity社が担当する。というのも、同ステーションの屋根には太陽電池を搭載し、その発電量でクルマの充電に必要な電力を賄う計画であるため。Tesla社は、太陽光発電による年間発電量が、Tesla Model Sの充電に必要な電力量を上回るとする。ただし、計算の詳細は明らかにしていない。
今後、Tesla社はこの充電ステーションを、カナダ・バンクーバー市から米国カリフォルニア州サンディエゴ市までの西海岸を縦断する道路沿い、フロリダ州マイアミ市からカナダ・モントリオール市をつなぐ道路沿い、そしてロスアンジェルス市からニューヨーク市までの米国を横断する道路沿いに設置する計画。2013年後半には欧州やアジアにも設置を始めるという。
(記事:日本経済新聞)