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2012年10月9日
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校舎屋上貸します…太陽光発電事業にぴったり

 東京都八王子市は、市立小中学校を太陽光発電装置の設置場所として民間事業者に無料で貸す代わり、電気の一部を学校に供給してもらい、災害時の電源にも活用するモデル事業を始めると発表した。

 市は今後、業者を募り、来年3月にも発電を開始するとしている。

 モデル事業の対象となるのは20校で、業者に屋根や屋上、計約1万平方メートルを貸し出す。設置される発電装置は出力が計1メガ・ワットの「メガソーラー」となる見込み。

 20校で年間で計約190万円の電気料金削減が可能になるほか、一般家庭約210世帯分の排出量に相当する二酸化炭素(CO2)も削減できるという。

 市環境政策課によると、設置の条件として、発電量の10%以上を各校で使用できるようにし、業者が設置や管理の費用を負担する。業者は残り90%の電気を電力会社に販売できる。学校での使用分は、災害時の電源にもなる。

 市は、太陽光などで発電した再生可能エネルギーの買い取りを電力会社に義務付ける固定価格買い取り制度が7月に始まったのを受け、モデル事業の導入を決めた。発電装置の設置期間は、買い取り期間の上限と同じ20年とした。

 こうした事業は他の自治体でも取り入れており、栃木県足利市では、市内の2業者に学校や公民館など計59施設を貸し出すことが決まり、業者が施設の耐久性の確認など準備を進めている。市に入る賃料は年間約580万円、20年間で計約1億1600万円を見込む。

 7月に企業を募集したところ、参加を探る企業や同様の貸し出しを検討する自治体からの問い合わせが相次いだといい、同市環境政策課の平山忍課長は「予想以上の反応に驚いた」と話す。

 地球温暖化対策と電気料金削減を図るため、八王子市は今後も、他の公共施設でも業者への貸し出しを進める方針だ。

(記事:読売新聞)

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