
埼玉県、県有12施設を太陽光向けに賃貸 計2000キロワット期待
埼玉県は県有施設12カ所の屋根を太陽光発電向けに貸し出す。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が始まったことを受け、売電事業に乗り出す事業者が増えている。合計で2000キロワット分の発電が可能とみられる。県は民間企業から賃料収入を得るとともに、県内での再生可能エネルギーの普及を急ぎたい考えだ。
貸し出すのはエコタウンプロジェクトの実施対象地域(本庄市、東松山市、秩父市、坂戸市、寄居町)にある県営団地や県立高校などの屋根。12施設の太陽光パネルの設置可能面積は合計で約1万9000平方メートルになる。通常のパネルで2000キロワットの出力が期待できる。
参加企業の募集は事業計画を提案してもらうプロポーザル方式で進める計画で、賃料も提案内容に含める。事業遂行能力や公共貢献なども加味して11月下旬にも事業者を決める。
県によると公共施設の賃貸は神奈川県などで例があり、「賃料は1平方メートルあたり年間100円程度が相場」という。賃料は県の収入として施設の維持管理などに活用する方針だ。
参入企業には、来年3月までに各施設管理者の行政財産使用許可を受けることを求める。電力の固定買い取り価格が現行の42円から変動しないうちに、発電設備の設置計画を固めてもらう狙いだ。
(記事:日本経済新聞)