
太陽光発電量15%減 市道かさ上げ影響
岩沼市は14日、津波で被災した沿岸部で計画している大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設について、発電量を当初予定していた3万2千キロワットから、2万7千キロワットに減らす方針を決めた。津波を防ぐ目的でかさ上げする市道の一部が建設予定地の一画に重なり、事業区域を当初より小さくするためだ。
市は仙台空港に近い相野釜西地区の農地などに、メガソーラーの建設を計画している。6月下旬には、日立製作所や丸紅などの企業体の参入が決まった。事業期間は15~20年間を見込み、2014年度の稼働を目指している。
当初の計画では、54ヘクタールを農家などから借りて、出力3万2千キロワットの発電施設を造る予定だった。しかし、市が津波からの多重防御の一環として計画している市道のかさ上げで、建設予定地の一部が必要となった。これにより事業区域は、これまでより11ヘクタール小さい43ヘクタールに見直された。
また、市は地権者に支払う賃貸料も見直す。建設予定地の農地の固定資産税は震災前、10アールあたり年700円前後。だが、メガソーラーを造るために土地の種類を農地から「雑種地」に転用すると、固定資産税が大幅に上がる。市は賃貸料を10アールあたり年4万円と見積もっていたが、この上昇分を考慮して10アールあたり年1万5千円を上乗せすることにした。
市は今月25日に予定している国や県との協議会で、計画への国の承認を得たいとしており、約100人の地権者の同意獲得を急ぐ。市によると、今月中に丸紅を中心とした事業会社「いわぬま臨空メガソーラー」を設立する予定で、計画実現に向けた環境整備を進めている。作った電気はすべて東北電力に売る方針で、今年度中に売買契約を結ぶことを目指す。
(記事:朝日新聞)