
塩漬け用地をメガソーラーに活用 福井市が事業者を募集
福井市は24日、「鷹巣リゾート開発計画」の用地として購入しながら事業凍結となった同市蓑町の市有地を、大規模太陽光発電(メガソーラー)施設の用地として活用する方針を示した。再生可能エネルギーが注目を集める中、市内企業の事業参画を募り、発電事業に加え環境教育や地域振興などにもつなげたい考え。14年間“塩漬け”状態にあった用地が、新エネルギーの供給地を目指し動きだす。
東京電力福島原発事故を契機に全国的に再生可能エネルギーへの転換が進められる中、市は同市沿岸部で雪の影響が少ない鷹巣リゾート用地にメガソーラーを整備できないか検討。地元住民と協議を進め設置の方針を固めた。
施設用地とするのは、リゾート用地約4万6600平方メートルのうち、国道305号線沿いのテニスコートやゲートボール場、旧観光農園を含む一帯の約1万6千平方メートル。市環境課の試算では、初期投資が約3億5千万円、発電量は年間97万キロワット時で約230世帯の電力が賄えるとしている。
募集は、公募型プロポーザル方式で行い、発電事業の計画のほかに、環境教育啓発や観光面などの地域振興策に関する企画の提案も求める。市内に本社もしくは支店がある事業者が対象で、20年間事業を継続できることが条件。来年度中に発電を始め、発電した電気は北陸電力に売却する。
鷹巣リゾートは国民宿舎鷹巣荘を含め約5万5千平方メートルに北欧風のリゾート地に開発する計画として、市土地開発公社が1995年から用地約4万6千平方メートルを約9億6千万円で買収。第三セクターなどによる事業化を計画していたが、景気悪化などで提携企業が見つからず98年に事業を凍結した。土地買収経費は利息を含め約10億9500万円で、2010年度に完済している。
懸案だった遊休地の利活用方針が固まり、同課は「再生可能エネルギーの啓発やエコツーリズムなどの観光事業にも生かし地域活性化につなげていきたい」と話している。
応募用紙は市環境課のホームページからダウンロードする。提出期限は11月12日で、審査結果は同19日に通知する。問い合わせは市環境課=電話0776(20)5398。
(記事:福井新聞)