
注目高まる太陽光発電 京都企業が開発に力
再生可能エネルギーによる発電量の全量買い取り制度で太陽光発電システムが注目される中、京都企業が保守点検関連の製品開発やサービスの充実に力を入れている。異常の発見が遅れると設置者の売電収入の計画に狂いが生じる可能性があるためで、システムの効率運用を求める設置者の需要を取り込む。
■保守点検サービス充実
不二電機工業は、端子の固定部品(端子台)で、発電システムのうち太陽光パネル1列分の電流を遮断できる機能を加えた新製品を開発し、12月末にも受注を始める。
従来、端子台には遮断機能がなかった。点検や修理の際、該当パネルを含む1列と近接する列の電流を大元のブレーカーで切る必要があった。新製品は1列ごとの遮断で、他列は発電し続けられるため、修理時でも効率的に発電できる。
従来品比2・5倍に当たる1500ボルトの直流電流を流しても端子同士を絶縁し、ショートしないようにしたのも特徴で、初年度5万個の販売を目指す。
太陽光発電計測システム開発のラプラス・システム(京都市伏見区)は7月、大規模太陽光発電所(メガソーラー)の遠隔監視システムのサービスを始めた。発電電力を直流から交流に変えるパワーコンディショナー(パワコン)の異常を管理者にメールで知らせる。来年12月を目標に、パネルの列ごとの発電量を比べて故障診断をする機能などを加えるという。
類似の遠隔監視サービスを展開するオムロングループは、保守点検サービスの充実を進めている。発電システムの異常時に現場へ向かう技術員を対象に4月から、熊本県にある太陽光発電技術検証施設で、発電システムの設置や施工に関する研修を行っている。太陽光パネルやパワコン、系統の異常を特定する内容を含み、来年度も続ける予定だ。
(記事:京都新聞)