
太陽光発電の電圧を安定に 中部電力など、配電網で試験
中部電力は11日、三菱電機と共同で、太陽光発電の今後の大量普及によって配電網の電圧が不安定になるのを防ぐシステムの試験を始めた。中部電のメガソーラーがある長野県飯田市内の変電所に試作のシステムを設置し、約3年間をかけて電圧変動を抑制する方法の確立に取り組む。
試作のシステムはリチウムイオン電池とパワーコンディショナーを組み合わせたもので、三菱電機が設計した。配電網の電圧を監視し、電圧の変化が生じた際にパワーコンディショナーを通じて電池から必要な量の電気を供給したり、余った電気をためたりして、電圧を安定させる。
試作システムを置く変電所には、中部電が運営する1千キロワットのメガソーラーが連なっている。試験ではメガソーラーなどがつながる配電網の電圧の動きを監視しながらシステムの有効性を確認したり、電池の寿命などを確かめたりする。
太陽光発電は天候で出力が大きく変わる。太陽光発電が家庭などで大量に普及すれば、接続する配電網の電圧が不安定になる懸念がある。
(記事:日本経済新聞)