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2014年8月28日
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東芝、神戸製鋼が、バイナリー発電設備を建設、実証試験を開始

 株式会社東芝と株式会社神戸製鋼所が、兵庫県南あわじ市に共同で建設を進めていた、風力・太陽熱・バイオマスを熱源とするバイナリー発電設備システムの実験設備が完成し、実証試験を開始した。

 同システムは、再生可能エネルギーである風力・太陽熱・バイオマスを熱エネルギー源として組み合わせ、沸点の低い熱媒体を加熱、蒸発させて発生する蒸気でタービンを回すことにより発電するというもの。自然条件の変化に影響されず、安定した電力と温水の供給を可能にするという。

 太陽熱を集める太陽熱集熱装置には大型集熱器と小型集熱器があり、回収した熱をバイナリー発電および、温水供給の熱源として活用する。また、補助熱源として木質ペレットと淡路島の竹のチップを燃料とするバイオマスボイラを設置した。制御システムでは、変動が大きい風力発電設備の発電出力から短期の変動電力を分離し、分離した電力を熱に変換、熱媒体で吸収する。これにより、電力系統へ接続する風力発電設備からの電力を平準・安定化することができるという。

 同システムは兵庫県が中心となって推進する「あわじ環境未来島構想」の一環として、県および地元南あわじ市の協力を得て建設。実証試験では、南あわじ市が出資する株式会社南淡風力エネルギー開発が建設した出力1.5MWの風力発電設備の電力が使用される。

 東芝は、太陽熱集熱装置と太陽熱発電システム全体を制御するシステムの開発に加え、設備建設と試験の全体取りまとめを担当。小規模施設などで経済的に使える電気、熱供給源としての太陽熱集熱装置の実現性を検証する。神戸製鋼は、太陽熱集熱装置と木質バイオマスボイラで生成した蒸気を熱源とするバイナリー発電システムの開発を担当し、コンパクトかつ高効率のパッケージ型バイナリー発電装置を検証する。実証試験は2014年度末まで行われる予定だ。

株式会社東芝 プレスリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2014_08/pr_j2202.htm

株式会社神戸製鋼所 ニュースリリース
http://www.kobelco.co.jp/machinery/news/2014/1190049_13910.html

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