
ミサワホームグループと京セラがエネルギー自家消費型住宅の実証実験を開始
ミサワホーム株式会社、株式会社ミサワホーム総合研究所、京セラ株式会社は、奈良県内に建設したモデル住宅において、自家発電した再生可能エネルギーを優先的に使用し、災害時も安心で、平常時は極力エネルギーを買わない暮らしを可能にする「エネルギー自家消費型住宅」の実証実験を共同実施すると発表しました。
この実証実験は、ミサワホームの防災・減災ソリューション「MISAWA-LCP(ミサワ エルシーピー)」の一環として、災害が発生しても安心して自宅生活を継続できる住宅の実現性を検証するものです。外部からの電力やガスの供給を遮断し、生活に必要なエネルギーを自家発電分で賄う状態を再現した上で、複数の世帯にモデル住宅で生活してもらい、設備機器や家電の稼働状況、室内の温度 · 湿度といったデータを収集。自家発電したエネルギーのみで安心した生活が継続可能かを分析しています。
モデル住宅では、ミサワホームが昨年度より標準化している高性能断熱材仕様に樹脂サッシを採用することで建物の断熱性を高めるとともに、地窓・高窓の開閉やシーリングファン · エアコンのオンオフを自動制御して排熱と涼風の取り込みを行う涼風制御システムや、室内の風通しを良くする南北通風設計、西日を遮る日よけスクリーンなどの工夫で省エネ化を図っています。搭載する太陽光発電システムと蓄電システムは京セラ製で、相互連係することでエネルギーを最適に利用します。なお、蓄電システムは、太陽電池で発電した電力を貯める際にこれまで必要だった直流から交流への変換を不要にすることで電力のロスを抑え、充電効率を従来品に比べて約6%高めた「マルチDCリンクタイプ」の蓄電システムを採用。さらに、停電時には自動で自立出力に切り替わり、太陽光発電システムから蓄電システムに最大3kWの充電を行いつつ自立出力が最大3kW使用可能となっています。
ミサワホームグループ及び京セラは、今回の実証データを基に、自家発電したエネルギーを使用して災害時にも自宅生活を継続できる住まい方や仕様を提案していく方向。また、再生可能エネルギーをはじめとした代替電力の発電コストが既存の系統電力の電力価格と同等になるグリッドパリティの達成が太陽光発電では間近とも言われていることから、来年以降、平常時にもできるだけエネルギーを買わない住まいについての実証実験を進めていくとしています。