
太陽光発電用に調整池貸与 大野町、地元企業と賃貸借協定
揖斐郡大野町は、太陽光発電システム設置の目的で町運動公園(同町野)の調整池などを地盤改良工事業、東洋スタビ(同町公郷、成瀬泰司社長)に貸与する。13日、町役場で土地賃貸借協定の調印式を行った。町有地の有効活用による再生可能エネルギー推進が目的だが、調整池の貸与は全国でも珍しいという。
調整池は集中豪雨などの際に一時的に雨水を貯水する敷地。コンクリートの基礎工事を行わず、同社が特約店契約するグランドスクリューと呼ばれるドイツ製、亜鉛メッキの鋼管ねじ杭(くい)を使用し、高さ2メートル以上に太陽光パネルを設置するため調整池の機能を失わない。低コストで耐久性に優れ、撤去時に廃棄物も出さず、発電効率も高い。
貸与は二つの調整池と北側駐車場の一部の計4853平方メートル。1392枚のパネルを設置、一般家庭約60世帯分の年間約27万キロワット時を発電して売電。町には借地料、固定資産税収入とともに災害避難場所である同公園の非常用電源として活用できるメリットもある。契約は20年間で来年6月に着工、2014年の稼働を予定。
調印式で宇佐美晃三町長は「これを機にさらに再生可能エネルギーの取り組みを続けたい」とあいさつ。成瀬社長も「太陽光パネル設置場所としての公有地活用が広まれば」と語った。
(記事:岐阜新聞)