
栗田工業、リチウムイオン電池の安全性を高める新素材を開発
水処理装置・水処理薬品の製造・開発を行う栗田工業株式会社が、リチウムイオン電池の安全性を向上させる新素材を開発。高機能部材「イプシガードKC」を商品化した。
リチウムイオン電池は、充放電する際に電解液中に炭酸ガスが発生するが、発生した炭酸ガスによって電池内の圧力が上昇しすぎると、電池の発熱や破裂、さらには発火を引き起こすリスクがある他、電池性能にも悪影響を及ばすことが知られている。
「イプシガードKC」は、同社が水処理分野で培ってきた化学物質の包接技術を活かし開発された新素材で、従来の炭酸ガスの吸収材と比べ3倍の吸収能力があり、発生した炭酸ガスを瞬時に包摂して吸収、ガス発生による電池内圧の上昇を防止するという。さらに、あらかじめ一定の水分を包摂させており、電池内の温度上昇も抑えることができるという。
これによって、電池の発熱や膨れ・破裂、電解液による発火リスクの低減に加え、電池性能低下の抑制にもつながるという。さらに、製造段階において、初期充電に伴い発生する炭酸ガスを出荷前に引きぬく工程が必要だったが、同素材を使用することによって不要になり、製造時間の短縮とコストダウンも図ることができるという。
栗田工業株式会社 プレスリリース
http://www.kurita.co.jp/aboutus/press140904.html