メガソーラー官民本格参入
大規模な太陽光発電所(メガソーラー)の設置計画が県内各地で進んでいる。7月から始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度も追い風になった。埼玉は快晴日数が全国1位。住宅への普及も見込み、金融機関は低利での融資制度を設けて後押ししている。
◇買い取り制度、追い風に
県は5日、LPガス販売「サイサン」(さいたま市)と、メガソーラーの建設に向けた協定を結んだ。
寄居町三ケ山にある県保有の廃棄物埋め立て跡地(5・7ヘクタール)をサイサンが年間430万円で借り、メガソーラーを設置する。契約期間は20年。来春の稼働をめざす。
発電能力は2・7メガワットといい、約800世帯の需要をまかなえる「県内最大規模」(県)で、東京電力に売る計画。事業費は8億円を見込んでいる。
事業者は県が募った8社から選んだ。サイサンはメガソーラーの見学施設を設けるなど、環境学習にも取り組む。川本武彦社長は「自然エネルギー部門拡充の礎となる事業」と話す。
川島町では、物流施設の運営・開発を行う「プロロジス」(東京)が自社の物流施設「プロロジスパーク川島」に発電能力2メガワットの太陽光発電設備を新設する。来春の稼働に向け、施設の屋根(2・1ヘクタール)に約7千枚の太陽光パネルを敷き詰める準備を始めた。
県内で新たな物流施設を設置する構想があり、「広大な屋根の有効活用に向け、各地でメガソーラーの導入を進めていく方針」(広報担当者)という。
ホンダも、来夏に操業開始予定の寄居工場(寄居町)の屋根にメガソーラー(2・6メガワット)を設ける計画を打ち出している。
◇融資制度・補助金 住宅向け後押し
家庭への普及を後押しする動きも広がっている。
県内の7金融機関は「ソーラーローン」などと銘打ち、住宅用の融資制度を相次いで設けた。
県によると、太陽光発電により、電気料金が下がり、売電収入も生まれる。このため、出力4キロワットの200万円の設備を購入した場合、国や県などの補助金計約30万円を組み合わせれば、約15年で元が取れる計算だ。
太陽光発電普及拡大センター(千葉市)によると、埼玉県内で昨年度、住宅用の太陽光発電にからんで国に補助金を申請したのは16737件に上り、全国2位。前年より52%増えた。
県は今年度、独自の補助制度を拡充。昨年度より67%多い1万件分の利用を見込む。8月末までに5千件を超える申請があったという。県温暖化対策課は「晴れの日が多いので効率もいい。今後も普及が期待できる」としている。
■太陽光発電設備向けの融資制度を設けた県内の金融機関
埼玉りそな銀行▽武蔵野銀行▽埼玉県信用金庫▽川口信用金庫▽青木信用金庫▽飯能信用金庫▽JAバンク埼玉
◇固定価格買い取り制度
太陽光や風力など自然エネルギーでつくられた電気の買い取りを、電力会社に義務づけた制度。再生可能エネルギーの普及を目的に今年7月から始まった。太陽光発電の場合、買い取り価格は1キロワット時あたり42円。発電事業者が安定して事業をできるよう設定されており、異業種からの参入が相次いでいる。
(記事:朝日新聞)

