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2016年2月26日
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次世代硫化物ガラス電解質の構造解明に成功

NEDOのプロジェクトにおいて、京都大学などの研究グループは、酸化物ガラスよりもリチウムイオン伝導率の高い硫化物ガラスの構造とイオン伝導の相関性について原子・電子レベルでの解明に成功しました。
今回の研究成果は、英国Nature Publishing Groupのオンライン科学雑誌「Scientific Reports」に2月19日付けで掲載されました。

概要

プラグインハイブリッド自動車(PHEV)や電気自動車(EV)における走行距離を延伸させるため、搭載されているリチウムイオン電池の電気容量や安全性の向上、小型化を目指し、リチウムイオン電池に使用されている電解液を固体電解質に変えた、全固体電池※1の開発が活発に行われています。
種々の固体電解質の中でも、リン導入硫化物(Li2S-P2S5系)ガラスは、高いイオン伝導率(イオンの移動のし易さ)を示し、材料の組成(混合比率)ならびに構造の乱れ具合によってリチウムイオン伝導率が異なることが知られています。
全固体電池の性能に大きな影響を与えるイオン伝導のメカニズム等を解明し、リチウムイオン伝導性を高くして電池特性を向上させるための指針を得ることを目指し、京都大学などの研究グループ※2は、本プロジェクト※3の研究の中で、高エネルギーX線※4および中性子線※5による回折実験と第一原理理論計算※6シミュレーション等の複数の解析技術を組み合わせ、リン導入硫化物ガラスの構造(原子配列)とその電子状態を詳細に解析しました。
その結果、骨格構造(PSx)ユニットの分極性がキャリア(電荷担体)であるリチウムイオンの伝導に強く影響を与えていることを発見しました。これにより、ガラス骨格構造の分極効果を最大限に高めつつ、キャリアであるリチウムイオン濃度を増やすことが高いイオン伝導率実現の要因となることを原子・電子レベルで明らかにしました。
この成果は、次世代ガラス電解質のイオン伝導性の向上に関して新しい設計コンセプトを示すもので、新しいガラス電解質を用いた蓄電池の大幅な特性向上につながることが期待されます。
NEDOは、今後も世界最高レベルの高度解析技術を駆使することにより次世代リチウムイオン電池材料開発のブレークスルーおよび革新型蓄電池の実現を目指します。
なお、今回の研究成果は、英国Nature Publishing Groupのオンライン科学雑誌「Scientific Reports」に2月19日付けで掲載されました。

(ニュースリリース)
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100527.html

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