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2012年9月11日
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太陽光パネルに熱視線 東近江市、支援へ条例改正

再生可能エネルギーで発電した電気の買い取りを電力会社に義務づける「固定価格全量買い取り制度」がスタートし、東近江市では太陽光発電への関心が高まっている。民間企業が工場の屋根に大規模な太陽光パネルを設置して関西電力への売電を始め、市は公共施設の屋根を貸して太陽光パネルの設置を支援できるよう条例改正した。太陽光パネルを自宅屋根に設置する市民も増えている。
◆市民や企業の設置増加
 同市上中野町の建設部材製造会社「湖東興産」。本社工場の千平方メートルの屋根には、太陽光パネル四百十六枚が敷き詰められている。最大出力約百キロワットの発電規模で、一キロワット時当たり四十二円で関電に全量売電している。設置費は三千五百万円。制度がスタートして以降、出力五十キロワット以上の高圧発電所は県内第一号になる。
 電力量は年間九万八〇〇〇キロワット時で、太陽光設備を設置した標準的な一般家庭の二十五軒分に相当するという。今若伸男社長(61)は「十年間で利益が出る計算。会社のイメージアップにもなり、なにより屋根に太陽光パネルを敷いた工場内は、パネルがない場合に比べ室温が四~五度低く、作業環境もアップした」と効果を話す。
 同制度のスタートに市も呼応。太陽光パネル設置を希望する市内の団体に、市有の建物の屋根を貸すことができるよう条例を一部改正し、ガイドラインを設けた。
 きっかけは、すでに稼働中の市民共同出資による太陽光発電所「ひがしおうみ市民共同発電所」の存在。設置費は出資者を募って賄い、売電益は出資者に地域商品券で分配するシステムで、市民の再生エネルギーへの関心が高い、と判断した。
 ガイドラインによると、最大出力は五十キロワット未満で、対象はまちづくり協議会など地域団体やNPO法人、八日市商工会議所、東近江市商工会などに限定し、維持管理は二十年間、賃貸料は売電収益の3%以内と条件がつく。
 八日市商工会議所は同市下中野町の県平和祈念館(市役所旧愛東支所)屋根に出力四九・五キロワットのパネル設置を構想中だ。吉田定男事務局長は「クリアしなければならない問題もあるが、市民の力を借りて新しいビジネスモデルをつくりたい」と話し、適用第一号を目指す。
 市や国、県の太陽光発電システム設置補助を活用して自宅屋根に太陽光パネルを設置する市民も増加している。四月一日から九月三日までに前年同期比一・四倍の二百二十五人が市に申請した。市新エネルギー政策室の植田光彦副主幹は「市民や企業が主体となって地域でエネルギーをつくろう、という動きが出てきている」と話す。

(記事:中日新聞)

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