オール電化とは、調理、給湯、空調といった家庭内のあらゆる設備で用いるエネルギーを電気に統一した住宅のこと。
原子力発電は細かな出力調整が難しく、常に一定のパワーで運転することが望ましいとされているため、 日中はともかく、電力需要の少ない夜間には電気が余る状況(深夜電力)となっていました。
電力会社は、日中の電力ピークの緩和を図るためにも深夜電力の料金単価を大幅に安く設定し、使用を促すようになります。 その際に、人々の関心を集めるきっかけ・材料となったのが「オール電化住宅」です。
オール電化住宅を選ぶメリットとして、ガスの基本料金がなくなり基本料金を電力に一本化できることや、 深夜電力を利用することでガスを利用していた頃よりも料金を安くできるといったことが挙げられます。 また、ガスを用いないことから厨房の場所の成約が少なく、間取りの自由度が高まるといった効果も考えられるでしょう。
しかし、生活スタイルと合っていないことや湯切れによる日中の貯湯などが原因となって起こる光熱費の上昇、 イニシャルコスト及び経年による機器交換費用の高さなどから、本当に得かどうかは一概には言えません。
通常の住宅よりも多くの電力を使用するオール電化住宅は、東日本大震災の発生を受けて電力需給が逼迫している現在にはそぐわないものとして、 導入事例は年々減少しています。