塩害とは、沿岸部の地域において多く発生する、農作物やその他の植物や電気設備、 鉄、コンクリート構造の施設などが塩分によって受ける害の総称。
海上の波頭が砕けることで塩水滴が空中に飛び出し、強風で陸上に運ばれることによって起こるとされており、 沖縄などでは、降雨の少ない風台風(雨の降らない台風)で農作物が塩風害を受けるため、島の周りに防潮林が植えられるといった対策が講じられています。
太陽光発電システムと塩害
塩害地域に太陽光発電システムを設置する場合、メーカーによっては「沿岸部から何キロメートルの地点における設置は保証対象外とする」 というように規定している場合があるため、まずは太陽光パネルやパワーコンディショナを製造するメーカーの保証内容を確認しましょう。
保証対象となる地域において設置する場合でも、防錆・防食等の対策を講じる必要が不可欠です。 具体的な対策方法として塩害やPID耐性に優れた太陽光パネルを選ぶ、架台を置く鉄筋コンクリートの基礎を通常よりも厚くする、 キュービクルやパワーコンディショナといった機器類はシェルターで覆うといったことが挙げられます。
また、海岸線に近い土地である場合は、塩害と同時に強風による被害についても対策を考えなければなりません。 近くに構造物や住宅があれば直接的な風を防ぐことが出来ますが、海抜の低い土地の場合は風の影響を大きく受けることになります。
蓄電システムと塩害
現在販売されている定置用リチウムイオン蓄電池の多くは屋外設置のものが多いため、導入を検討する際には設置環境をチェックする必要があります。 特に、直射日光や雨風が直接当たったり、塩害の影響を受ける場所であれば注意しましょう。
塩害地域でなくとも塩害の影響が懸念されるという地域では、直接潮風を浴びない方角に設置するなどの対処が有効です。