放電深度とは、二次電池の放電容量に対する放電量の比のこと。DODとも呼ばれます。
例として、容量1000mAhの電池を700mAhで放電したとすると、その放電深度は70%ということになります。
何サイクルもの使用が前提となる二次電池では、サイクル寿命が放電深度に強く依存していることが知られており、 浅い放電深度で使用したほうが寿命は長くなると言われています。
実際にNTTファシリティーズ総研の資料によると、 鉛蓄電池の場合、放電深度100%の使用方法に比べて、放電深度50%の使用方法の方が約3倍も寿命が長いということが分かっています。
この特徴はリチウムイオン電池にも共通しており、サイクル寿命は放電深度が深い程、 そして使用温度の上昇と共に短くなるとされていますが、この影響は鉛蓄電池ほどではありません。 これを見てもわかるように、製品によっては仕様書等に放電深度ごとの想定サイクル寿命が記載されていますが、 放電深度が深くなるほどサイクル回数は減少する傾向にあることが分かります。
余談として、ハイブリッドカーを搭載される電池は、放電深度を浅くすることで長寿命化を図っていますが、 電池のみで動く電気自動車は深い放電深度で使用することになるため、そのような使い方に耐えられる信頼性が求められます。