設備利用率とは、発電設備の稼働率を表す値のこと。発電設備の設備容量と発電量の比率とも言えます。
設備利用率は、総発電量(kWh) ÷ [ 設備容量(W)×365日×24時間 ] × 100の計算式から求められ、 この数値が大きいほど、設備的にもコスト的にも効率よく電気を作っていると言えるでしょう。
どのような設備でも、保守点検や需給計画の影響などから停止している期間が存在するため、設備利用率が100%になることはありません。 また、再生可能エネルギーでは、天候や季節・時期による影響が顕著であるため、火力発電等よりも大幅に低い値となります。
国家戦略室の「コスト等検証委員会」では、この設備利用率をもとに各発電方式の発電コストを試算しており、 発表されている報告書によると、 太陽光発電は12%、陸上風力発電は20%、地熱は70%程度に設定されています。
また、設備利用率はその発電方式の安定度を推し測る値としてだけでなく、発電コストを左右する要素とも言えるでしょう。 例として、設備利用率の高い石炭・天然ガス火力発電の発電コストが、1kWhあたり10円前後/kWhとなっています。
一方で、設備利用率の低い太陽光発電の発電コストは1kWhあたり30円前後と高くなっていますが、 年々システム単価は低下しているため、このコストは徐々に低下していくのではないかと予測されています。