系統とは、発電・変電・送配電といった電気を生み出し、各家庭や工場といった消費者まで輸送・分配するシステム全体のこと。
日本では、電力会社10社がそれぞれ電力系統を保有しており、絶えず安定した電力供給を行うため、 発電所や送配電設備をコントロールして電力品質の維持と需給バランスを調整しています。
近年になって再生可能エネルギーの普及が急速に進んでいますが、再生可能エネルギーはその性質上出力が安定していません。 それら設備が一気に系統へ接続された場合は、出力変動によって電力品質に大きな影響を及ぼすことが懸念されており、 今後は火力発電所の確保や送電網の広域運用、大型蓄電池の導入といった系統安定化対策が進められています。
現在では、既に再生可能エネルギー設備の接続量が限界に達しかけている変電所などにおいて蓄電池の実証実験・導入が行われており、 今後実用化が進んだ際には、系統の安定化に加えて、再生可能エネルギー設備のメリット向上といった効果が期待できるでしょう。
将来的には、電力系統に情報技術を用いたスマートグリッドの導入が進むことで、 より高度な系統運用が可能となるのではないかと予測されています。