発電量に影響を及ぼす温度係数とは何ですか?
周囲温度が変化した際の出力の変化率を指す言葉です。
最も一般的に普及している結晶シリコン型太陽光パネルには、周囲温度が高温になるとバンドギャップが減少し、 大幅に出力が低下するという特徴があります。
バンドギャップとは、価電子帯(電子が動けない場所)と伝導帯(電子が自由に動ける場所)の間隔(禁制帯幅)の広さを指し、 温度が上昇するとこの部分が減少し(電子の通り道が狭まり)、出力が低くなってしまいます。
そのため、真夏などの気温が高くなる季節の発電量は、 その他の季節と同等かそれ以下で推移するケースがほとんどでしょう。
太陽光発電の分野においては、太陽光パネルの基準温度に対して、 周囲温度が1度上昇または低下した場合の出力の変化率を温度係数と呼びますが、 この温度係数によって高温時におけるパフォーマンスに大きな差が現れます。
温度係数は太陽光パネルの種類によって異なり、結晶シリコン型で-0.45%/℃、 CIS薄膜型で-0.33%/℃、HITは-0.3%/℃程度ではないかと言われています。 例として、結晶シリコン型太陽光パネルでは、本体温度が70度に達した際には20%近くも出力が低下するということになります。
なお、正確な温度係数についてはメーカーによって発表されておらず、あくまでこの数値は一般的な目安であることに注意しましょう。
以上のことから、基本的に太陽光パネルは温度が高くなるほど出力が低下し、 逆に温度が低くなれば公称最大出力値よりも出力が増加するということが分かります。