遊休地利用の新機軸!太陽光発電事業の採算性とは

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太陽光発電に関するPVN24独自のニュースを特集記事として配信!

加速する太陽光発電事業の背景

再生可能エネルギーの固定価格買取制度の導入に伴い、全国でメガソーラーや太陽光発電所の建設が熱を帯びている。メーカー各社は相次いで産業用の商品ラインナップを拡充、海外メーカーも続々と参入するなど業界では熾烈な競争が繰り広げられている。

何故これほど発電事業としての太陽光市場が加速しているのか。平成25年度の同制度では、10kw以上システムの買取価格は37.8円(税込)、買取期間は20年間とされており、設備投資に対する採算の目途が立ちやすく経済メリットを生み出みやすいとの見方がある。それ以外にも、電力の需要が高い夏期の昼間に多く発電することができるため電力不足に悩む日本では需給バランスの効果的であるところや、比較的工事が容易でメンテナンスも手間がかからないといった特長も見逃せない。

これまで住宅用が中心だった日本市場は、今後はメガソーラーを含む公共、産業用市場が急速に拡大する見通しとなっており、政府の支援策、太陽光関連機器の技術革新など将来的にも成長を有望視されている魅力的な分野だ。
公共、産業用の市場規模は、2020年度には現在の5倍以上になるとの予測も出ており、それが現実のものになれば住宅用の市場と並ぶ規模になるといわれている。

太陽光発電所事業の採算性

所有している土地で太陽光発電事業を行う

たとえば、遊休地等に太陽光発電を導入する費用の目安として、概ね32万円/kW、年間維持費を5千円/kWとすれば、300kWのシステム容量で初期設備費9,600万円、年間維持費150万円のコストがかかる計算になる。10年間でコスト試算すると、9,600万円+150万円×10年=1億1,100万円。
一方、売電の予測については、発電量が初年度予測で年間約330,000kWhだが、これについては経年劣化による出力低下が1年ごとに1%あると仮定。20年間でみた場合、累計の発電量予測は概ね5,973,000kWh。発電量の推移は下記図のようなカーブを描く。

20年間の発電量予測

この試算から、10年目の累計売電収入は約1億1300万円となり、コスト回収時期は概ね10年を切る恰好だ。10年目以降も継続して売電されるため、20年目を迎えた時点では約2億500万円の収入、最終的な利益は約9400万円となる。

しかしながら、設備資金を金融機関から借り入れる際の金利や土地を借りて事業を行う場合の賃料はここには含まれていない。
自前の土地に太陽光発電を設置する場合はともかく、通常はこれらコストも事前に計算に入れる必要がある。これらを踏まえると、メガソーラーなど用地を使用した太陽光発電事業の投資回収時期は7~8年が理想的、少なくとも10年を切る期間内での回収が望まれる。

以上の観点から、自前の所有地に設置する場合は確実に大きな収益を得られることがわかる。ただし、向こう20年間全く利用価値が無いと推測される土地が望ましく、たとえば駐車場など他の活用方法があればビジネスとしてはそのほうが高い収益を得られる可能性もあるので、十分考慮した上で設置を検討するべきだ。

土地をレンタルして太陽光発電事業を行う

一方、土地を借りた上で発電事業を行うケースでは、当然のことながら地代をなるべく抑えるに越したことはない。
ただこれについては、業界内で「地代は売電収入の概ね3~5%」という定説が存在しており、それをもとに算出した土地賃料はかなり安価に設定されることになる。逆を返せば、発電事業者にはメリットが大きいが、土地を貸す地主にとってはさほどメリットを感じられない賃料であることは明白であり、双方にとって意義ある価格帯を模索する動きが今後必要となってくであろう。

また、太陽光発電事業を始める時期によっても明暗が分かれる。平成25年度では買取価格37.8円/kWh、買取期間20年間という条件となっているが、年度ごとに制度見直しが行われる。
ドイツでは普及に向けてFIT(フィールドインタリフの略 固定価格買取制度)が導入され、メガソーラーなど太陽光発電事業が飛躍的に増加した背景がある。

日本においても再生可能エネルギー特別措置法による支援策は自然エネルギーを利用した各種システムの普及拡大を第一目的としている。
そのため、年度ごとの制度見直しでは太陽光発電の普及度合いと技術革新による性能向上、市場価格など総合的に判断され、今後の買取価格の下落は必至だと見られている。

以上のことを考えて、太陽光発電事業を始めるタイミングはなるべく早いほうが好条件で、得られるメリットも大きいといえる。

太陽光発電累積導入量の国別推移

太陽光発電所事業の留意点

条件によってコストも違う

太陽光発電所事業を行う上で大事なことは、まず付帯費用をいかに抑えるかというところである。
いろいろな要因で設備以外のコストが上がってしまうケースが多くみられるため、発電事業に適した土地というのは案外少ない。余分なコストを削減することは他のビジネス同様に大変重要な課題であり、ここでいくつかポイントを挙げていきたい。

送電線の確保

まずは、電柱が近くに有るかどうか。運悪く土地の近くに電柱が立っていなければ、最寄りの電柱に送電線を持っていくための電柱が必要であり費用負担は基本的に発電事業者負担となる。
また、電柱建設には相応の期間がかかるため、事業スタートが大幅に遅れる原因ともなりかねない。土地の近辺に電柱が有るか無いかは大きな問題である。

適した地目

そして、土地造成に費用をかけすぎないということも重要である。平坦な土地であれば問題ないが、起伏の険しいところが多い場合には造成工事が必要になってくる。
また、農地利用を考えるのであれば土地自体は平坦なので整地費用はそれほどかからないが、基本的に農地は認められていないので農地転用の申請が必要となる。

その他の環境要因

他にも外的環境に注意すべきという声もある。例えば夏場の現地調査時には抜群の日当たりだった土地が、冬場には周囲の樹木の影が伸びて太陽電池にかかってしまうというケースも想定できる。
これら外的条件ひとつとっても売電収入の大きくかかわる部分なので、事前調査は入念に行わなければならない。

自然エネルギーを使った地域活性化

メガソーラーなど平地を利用した太陽光発電事業は、今まで塩漬けとなっていた遊休地や休耕田など再び活性化させ、新たな利用価値を生み出す可能性を秘めている。
ひとたび発電所が出来上がれば、それを地域活性化に結びつける新たな仕組みづくりが今後注目されるであろう。

例えば高知県梼原町では環境モデル都市として風力発電を導入し、町内エネルギーの自給率100%を目標としている。地元PRに自然エネルギーをうまく活用している例といえよう。
風力発電以外にも森林資源の循環利用やモデル住宅によるLCCM住宅の普及など事業を積極的に推進しており、あらゆる環境政策が地域活性化に結びついている。

また最近では、再生可能エネルギーを利用した発電プロジェクトに市民や地元企業が出資しようとする動きも各地で見られ、発電所事業の先にある新たな活性化策が日本経済の牽引役になることを期待したい。