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2012年9月29日
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シャープ、太陽電池生産拠点を堺に集約へ

 シャープは、国内に4か所ある太陽電池の生産拠点を堺工場(堺市)に2013年9月までに集約する検討を始めた。葛城工場(奈良県葛城市)など3工場の生産は中止する方向だ。生産効率を高めて価格競争力を強化し、住宅用太陽電池の国内シェア(市場占有率)を現在の30%から40%に引き上げることを目指す。

 シャープが主力取引行に示した経営改善策に盛り込んだ。生産中止するのは、葛城工場のほか、八尾工場(大阪府八尾市)、富山事業所(富山市)。3工場の設備は堺工場に移し、稼働率も高める。葛城工場での電子部品などの生産は継続する。拠点集約に伴う人員削減はせず、配置転換で対応する。余った人員は維持・補修部門などに投入してサービスの質を高める考えだ。

 太陽電池事業については、最大の市場だった欧州の低迷や価格下落で採算が悪化し、シャープは11年度に営業利益が219億円の赤字となった。ただ、再生可能エネルギーで発電した電力の全量買い取り制度のスタートなどで国内市場は需要拡大が続くとみている。このため堺工場では、12年度中に、高変換効率の太陽電池を2割増産する。

 これに合わせ、海外の太陽電池事業も再編する。太陽光発電所の開発を手がける子会社のリカレントエナジー(米カリフォルニア州)を売却、不振の欧米市場での事業も段階的に縮小する。一方、成長が見込まれる中国やインドなどアジア市場の開拓を急ぐ。

(記事:読売新聞)

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