
県「屋根貸します」 県立校など12施設2万平方メートル
県は、県立学校など計十二の県有施設の屋根に太陽光発電設備を設置するため、それぞれの屋根を民間事業者に貸し出すことを決め、公募を始めた。神奈川県なども同様の「屋根貸し」を行っているが、“埼玉方式”では、業者自身が設定する賃料に最低額を設けない一方、屋根の防水工事などを義務づけるのが特徴。県は「設置に伴う県の出費を節約できる」としている。
「屋根貸し」の対象は、本庄、東松山、秩父、坂戸の四市と寄居町の県立高校や特別支援学校、県営団地など計十二施設。学校では体育館や校舎の屋根などを貸し出す。
太陽光発電設備を設置できる面積は計約二万平方メートルで、すべて設置されれば出力は計約二メガワットの見込み。年間発電量では、一般家庭約四百七十世帯分の電力が賄える計算になるという。業者は一キロワット時当たり四十二円で東京電力に売却する。
業者が県に支払う屋根の賃料は、事業者自身が応募時に設定する。神奈川県は賃料の最低額を「年額一平方メートル当たり百円」としたが、埼玉県は「ゼロ円以上」とした。業者は「賃料ゼロ」とすることも可能だが、屋根の防水工事と維持管理を義務づけられるため、県は「防水関連のコストを踏まえて賃料を設定してもらうことになる」と話す。
応募受け付けは十一月一日~同八日。県は同月下旬に貸出先の業者を決定する。問い合わせは、県温暖化対策課=電048(830)3042=へ。
(記事:東京新聞)