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2012年10月25日
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産電子、太陽光追いかけ発電する自動システム

 【前橋】産電子工業(群馬県大泉町、中里計一社長、0276・63・7622)は群馬県産業技術センターの協力を得て、完全自動追尾式の太陽光発電システムを完成した。2013年2月以降に発売する。従来他社製品の屋根固定型に比べて約2倍の発電量を確保できると試算。全長11メートルと大型で店舗や自治体の広告塔として提案。価格は1200万円ほどに抑え、年20台の販売を目指す。7月に再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が始まり、駐車場などを活用した「宣伝」に的を絞り市場を開拓する。

 試作したのは「ムービング ソーラー」。高効率が特徴の米サンパワー製パネル16枚を金属ポールの上に設置した。出力は3・8キロワットで全長は11メートル。パネル部は縦が約8メートル、横は3・7メートル。旋回角が270度、仰角は14度―89度で自動で追いかけるため、太陽にほぼ正対する。搭載した全地球測位システム(GPS)によって太陽の緯度と経度などを把握して向きを変える仕組みだ。

 群馬県産業技術センターの協力を得て、構造設計や強度などを評価する。風速15メートル以上を検知すると「退避行動」をとり、パネルが水平になって風を避ける。風速60メートルに耐えるよう設計した。重量は約1000キログラム。本社で実証をスタートし、旋回時の振動を抑えて動きがなめらかになるよう量産型に反映する。

 環境意識の高い企業や自治体の需要を見込む。本体に会社名や好きな言葉を表示し、「環境への取り組みが一目で分かるシンボルマークとして導入企業のイメージ向上につなげたい」(中里社長)とする。

 産電子は85年設立。従業員は53人で11年9月期売上高は約32億円。紙幣搬送装置などの遊技関連が主力だ。2年前には浄水器製造に参入したほか、サンパワーと組んで産業用途向けに太陽光パネルの営業を強化するなど水や環境関連の事業拡大に力を入れている。

(記事:朝日新聞)

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