太陽光発電、耕作放棄地で実証実験 県が実施団体募集
徳島県は、中山間地域の未利用農地に太陽光発電設備を設置する実証実験を始める。復元が困難な耕作放棄地などを有効活用し、再生可能エネルギーの導入促進や農家の所得向上による定住促進を図るのが狙い。2012年度末までに2地区程度で発電設備を完成させ、13年度から発電を開始する計画。県は補助を受けて実証実験を行う団体を募集している。
県は実証実験で発電設備の運用状況や発電量、農家のニーズを踏まえた普及の可能性、中山間地域活性化の効果などを検証。調査結果を踏まえ、14年度以降に事業の本格実施の是非を検討する。
農林水産省によると、県内の耕作放棄地は10年度で4464ヘクタール。このうち、荒廃して復元が困難な放棄地は4割近い1724ヘクタールに上っており、農地以外での有効活用が課題となっている。
実証実験の補助対象は、農業者3人以上で構成する農業生産法人や協同組合などの団体。10アール程度の未利用農地に、10~50キロワットの小規模な太陽光発電設備を設置し運用してもらう。
実験の実施団体に対し、県が1地区当たり発電設備の建設費の5分の1(上限400万円)、土地造成費の2分の1(25万円)、送電設備の接続費の2分の1(150万円)を補助する。
希望団体は、事業計画書や設備の設置場所の図面など関係書類を、県農村振興課に持参または郵送する。11月30日必着。県の事業審査会で応募内容を審査し、12月中に実施団体を決定し県のホームページで公表する。
問い合わせは県農村振興課<電088(621)2436>。
(記事:徳島新聞)

