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2012年11月10日
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東電、国内初の「グリーン電力」販売へ 専用の新料金プラン

 東京電力の広瀬直己社長は9日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応え、環境負荷の少ない「グリーン電力」を特定して購入できる新たな料金プランを導入する考えを明らかにした。実現すれば、国内の電力会社では初。料金は通常より割高となるが、環境意識の高い企業や個人のニーズを見込み、原子力発電の稼働停止で悪化する収支の改善につなげる。

 グリーン電力は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電力のこと。米国などでは追加料金を払って購入する動きが広がっている。日本では再生エネの推進企業を民間団体が認定する「証書」や、個人が電力会社に寄付する「基金」などの制度はあるが、対応した料金メニューはまだない。

 東電は浮島太陽光発電所や扇島太陽光発電所(いずれも川崎市)など、再生エネの導入を進めている。ただ、これらのグリーン電力は9月に値上げした家庭用料金などの原価に組み込んでいるため、切り分けて販売することはできない。

 一方で、関連会社と伊豆半島の東伊豆町、河津町にまたがる山間地で大型風車21基(計3万5000キロワット)を建設中で、2014年度に運転を開始する予定。まずは、ここで発電したグリーン電力を「いくばくか高い料金」(広瀬社長)で希望者向けに販売する考えだ。

 また、再生エネ電力の買い取り価格を電気料金全体に上乗せする現行の固定価格買取制度とは別に、外部のメガソーラー(大規模太陽光発電所)などから買い取ったグリーン電力を希望者に転売する仕組みもグリーン電力販売の一形態として検討する。13、14年度の中期経営計画で具体化する考えだ。

(記事:SankeiBiz)

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