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2012年11月14日
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灯台LED時代、太陽光発電で稼働 清水海保の改修完了

 駿河湾や遠州灘を行き来する船の道しるべとなる灯台のLED(発光ダイオード)化が進んでいる。省電力、長寿命、視認性の良さが特長で、太陽光発電だけで稼働する。400年前は炎だった光源が100年前に電球に代わり、そしてLEDへ。再生可能エネルギーの導入が世界中で進む中、灯台も新たな時代を迎えたようだ。
 清水海上保安部(静岡市清水区)は管内の灯台などの航路標識のLED化に1990年に着手した。ことし11月末までに沿岸や防波堤に立つ灯台、浅瀬に設置された灯標など計46基のうち41基の改修を完了する。最初に改修した内浦漁港の防波堤灯台(沼津市)は22年経過した現在までLEDの交換も目立った故障もないという。維持管理費減少にも貢献している。
 電源は太陽光発電のバッテリーだけで、災害時の停電や電源ケーブル切断で明かりが途切れるリスクはなくなった。清水港の真崎灯台の光源部分には100個のLEDが円を描くように取り付けられている。消費電力は電球の50分の1の2ワットに減少し、満充電なら1カ月は追加の充電なしで機能する。
 光の強さは電球と同じ程度だが、白っぽい光の色やはっきりした点滅で霧や悪天候時の視認性は向上したという。同保安部の小川義明交通課長は「事故防止につながる」と期待する一方、「電球がフッと消える時の光の余韻も好きでしたけど」と一抹の寂しさも感じている。
 LEDで規定の光の強さが出せない清水、御前崎、舞阪の各灯台と清水港導灯、田子の浦港導灯の5基は引き続き電球を使う。

(記事:静岡新聞)

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