
トランスバリュー信託、自治体向け太陽光発電ファンド拡大
トランスバリュー信託は、地域住民を対象にした太陽光発電向けファンドの事業を拡大する。住民から資金を集めて地域内に建設する発電所に投資し、地域通貨で配当を行う仕組み。非常用電源の確保と地域の活性化を図る。各地の自治体に導入を促し、3年後までに15件のファンド設立を目指す。
太陽光発電向けファンドは1口10万円で、住民から資金を募集。その資金を用いて障害者支援施設など公共施設の屋根に太陽光パネルを敷設し、出力50キロワット前後の発電所を建設する。投資額は事業規模に応じ数百万円から数千万円を見込む。地域通貨で配当を行うことにより、地元の商店などで消費を促す。2%程度の配当を予定する。
すでに滋賀県湖南市で第1号案件を組成し、12月から信託を始める。公共施設の屋根を転用するなどして設備投資を抑える考えで「売電価格が24円以上あれば、事業は継続できる」(トランスバリュー信託)という。地域の電源開発や地元での消費拡大を目指す自治体に対し、ファンドの設立を喚起する。
同社は2005年に設立した信託会社。再生可能エネルギー事業の運用管理業務に取り組む。顧客から資金や遊休地を信託してもらい、同社が売電契約や資金調達、発電所の建設・管理などを手配する。煩雑な手続きを担い事業継続を確立することで、発電ビジネスの参入を促している。
(記事:日刊工業新聞)