
オムロン、メガソーラーに特化した逆流防止リレーを製品化
オムロンはメガソーラー(大規模太陽光発電所)に特化した逆流防止リレー「ソーラーリレー」を12月に製品化する。太陽光発電システムの接続箱に組み込んで使う部品で、従来のダイオード方式に比べ電力損失を約70%改善できる。メガソーラーをはじめ公共・産業用太陽光発電システムの国内市場は、電力供給不安や電気料金の引き上げを背景に2015年度までに現在の4―5倍に拡大する見通し。ソーラーリレーで16年3月期までに累計30万台以上の販売を目指す。
発売する製品「MM1X―PV」は、太陽光パネルで発電した電力が逆流することでパネルが故障したり、破損したりするのを防ぐ。リレーとダイオードを一体化させて、従来のダイオード方式で課題だった発熱や電力損失を解消した。
ダイオード方式では、電流値が毎時8アンぺアの場合で1回路あたり7・2ワットの損失があった。一方、ソーラーリレーの損失は2・2ワットになり、約70%の効率改善を実現。また発熱の抑制で放熱対策用の部品点数を削減できる。
生産は、リレー部品を生産するオムロンリレーアンドデバイス(熊本県山鹿市)の武雄事業所(佐賀県武雄市)が担当する。産業用リレーを生産する既存の組み立てラインを一部改造し、供給体制を整備。13年1月から本格量産に入る。今後の受注状況に応じて、自動機による専用ラインの新設も検討する。
太陽光発電システムの接続箱は複数の太陽光パネルで発電した電力を集約し、パワーコンディショナーなどに供給する装置。開閉器や避雷素子、ブレーカーなどで構成する。現在はダイオードで電力の逆流を防止するのが主流だが、発熱や電力損失が課題だった。
(記事:朝日新聞)