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2012年12月29日
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モルディブ 太陽光発電 日本製が好評 普及には価格が課題

 インド洋に浮かぶ島嶼(とうしょ)国モルディブの首都マレで、日本政府による無償協力を発端に、太陽光発電の導入が進んでいる。大統領府庁舎や学校の屋上に設置された日本製の太陽光パネルによる発電が既にスタート。環境配慮型の電力供給に期待が高まっている。
 モルディブはサンゴ礁でできた島々で構成され、標高が低いため、温暖化による海面上昇で陸地が海に沈むなどの影響が懸念されている。ハッサン大統領は「モルディブは気候変動の影響を最も受けやすい国の一つ。二酸化炭素(CO2)排出削減の先頭に立ちたい」と日本の技術支援を評価した。
 現状は輸入した化石燃料による火力発電に電力供給を依存しており、燃料の国際価格の高騰が財政を圧迫。自国内で発電できる太陽光などクリーンエネルギーへの期待は大きい。
 日本政府は国際協力機構(JICA)を通じ、首都機能が集中するマレ島に太陽光パネルを設置。2013年3月の完工を目指して追加工事が進んでいるが、既に発電を始めているという。
 約12万人が住むマレ島は全周がわずか5キロほど。「世界一人口過密な首都」ともいわれる。高層建物が林立し、空きスペースが限られているため、メガソーラー発電所の建設などは不可能だ。建物の屋上などに発電効率の高い太陽光パネルを設置するのが効果的なため、日本メーカーにとっては高い技術を生かすチャンスとなる。
 島内には日本の中古車やバイクがあふれ、日本製品の評価は高い。ただ、日本製太陽光パネルの普及についてモルディブの政府関係者は「性能が高いのは理解しているが、価格が壁となる」と指摘。日本メーカーが、欧米や中国のメーカーに対抗できる価格設定をできるかどうかが課題となりそうだ。

(記事:Sankei Biz)

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