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2012年12月4日
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欧の太陽電池大手REC、アジア市場に軸足-来年に日本向け販売6倍

 欧州の太陽電池大手、リニューアブル・エナジー・コーポレーション(REC、ノルウェー)は2013年に、日本企業向けに販売する太陽電池モジュールを12年見込みの約6倍となる25万キロ―30万キロワットに拡大する。市場が縮小した欧州からアジア・太平洋地域へ営業の軸足を移しており、同社が1年間に扱うモジュールの30%(12年は約6%)を日本向けにあてる。日本市場向けモジュールも用意し、日本参入2年目で存在感を高める。

 シンガポール工場から日本の代理店や大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設業者、商社に販売する太陽電池モジュールを拡大する。計画には、これらの日本企業が海外で販売するモジュールも含まれる。30万キロワットの販売が実現すれば国内4位の電機大手の年産能力27万キロワットとほぼ並ぶ。

 12年は愛媛県のメガソーラー1基や商業施設の屋上など4万5000キロワット分を日本企業に販売する見通し。取引拡大に向け、日本で要望の多い鉛フリーハンダを使用したモジュールの供給体制を整えた。景観を重視する市場性にも考慮し、黒色のフレームとバックシート(保護材)を採用した「フルブラック」仕様も発売する。5月に設立した日本法人も現在の2人から数人を増員する。

 債務危機による欧州市場の低迷を受けて同社はノルウェー工場を閉鎖、アジア・太平洋地域に人員や生産をシフトしている。中でも再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度が始まった日本を重要視している。

 同社は世界8位の太陽電池モジュールメーカー。原料のシリコンからセル、モジュールまでの一貫生産による低コスト化が強み。販売も好調で、12年は全世界で前年比20%以上増の75万キロ―80万キロワットの販売を見込む。13年は最大で85万キロワットを計画する。

 海外メーカーは過剰設備を抱えて経営が悪化しているが、同社は自己資本比率が45%あり、長期間保守できる信頼性も日本で差別化になると見ている。

(記事:朝日新聞)

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