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2012年12月6日
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京セラ、住宅用の太陽光発電向けパワコン開発-周辺機器を拡充

 京セラは住宅用太陽光発電システム向けパワーコンディショナー(電力調整装置)を開発した。ニチコンに生産を委託し、2013年春にも販売を始める。技術開発や設計、部材調達を自社で行うことでノウハウの蓄積と原価低減を進める。電池モジュールの価格下落が続く中、周辺機器を自前で手がけることでシステム全体の収益性向上を狙う。

 

 量産試作機は最大出力は4・5キロワット、変換効率は95%程度を狙う。昇圧と接続箱の機能を持つマルチストリング機能を内蔵。単独運転防止機能を搭載し、住宅地域など局所的な発電システムの多数台連係にも対応する。

 これまでパワコンはオムロンのODM(相手先ブランドでの設計生産)や製品調達などで対応していた。ニチコンとは家庭用蓄電システムで協業しており、同システム同様ニチコンワカサ(福井県小浜市)で生産する。

 太陽電池モジュールは海外メーカーの攻勢で価格下落が続く。一方、パワコンは電力会社との連係協議があり、海外勢の参入は進まず、価格も下がりにくいのが現状。住宅用システム導入費用における電池の占める割合は年々低下している。

 京セラは太陽光発電システムで国内2位と推定される。11年秋以降、電池価格の下落や欧州市場の低迷で同事業は赤字に転落。産業用市場の活性化などで今年度、黒字を回復しているが収益力強化が課題となっている。このため蓄電システムやパワコンなど周辺機器を拡充する。燃料電池や蓄電池と共通のパワコン開発も視野に入れる。付加価値の高い家庭用エネルギー管理システム(HEMS)として提案力強化につなげる。

(記事:朝日新聞)

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