
中央ネームプレート、太陽光発電の部品に参入 石狩に新工場
機械部品製造の中央ネームプレート製作所(札幌市)は石狩市に新工場を建設する。太陽光発電設備に必要な部品をつくる。再生可能エネルギーや節電への取り組みが進むなか、成長分野に先行投資することで新規顧客を取り込む狙い。2013年3月に試験運転し、4月の稼働を目指す。初年度に1億円前後の売り上げ増を見込む。
石狩市の既存工場に隣接した空き工場と約1500坪の土地を取得。工場の増改築に着手した。工事費用は土地代や設備代を合わせ、数億円に上る見通し。
新工場には薄い金属板を精度高く加工できるレーザー溶接機を導入し、太陽光発電のパネルを支える部品を製造する。スマートグリッド(次世代送電網)の構築に不可欠な電力使用を監視制御する装置の部品なども生産していく考えだ。
同社は主にロードヒーティングや除雪機の部品のほか、業務用の蓄熱暖房器具の鉄板などの製造を手掛けてきた。ただ、産業用機械の需要が先細るなか、成長分野に投資・参入することで、売り上げ維持拡大を狙う。
福島第1原子力発電所の事故を受け、再生エネルギーを活用する動きが広がっている。特に太陽光発電設備を導入する道内企業や自治体が相次いでおり、設備に必要な部品の需要が高まっている。工場建設には国や札幌市の補助金を受け、投資額を抑えた。
同社の売上高は12年5月期で約13億円。新工場は5番目となる。
(記事:日本経済新聞)