
新昭和、太陽光発電設備を拡販 戸建て向け、今期4割増見込む
中堅住宅メーカーの新昭和(千葉県君津市、松田芳彦社長)は個人住宅向けの太陽光発電事業を強化する。消費者への認知度を高め、戸建て住宅向けだけで2013年3月期に前期比4割増の700棟分の発電設備を供給したい考え。既に稼働する大規模太陽光発電所(メガソーラー)に加えて個人住宅用まで手がけ、太陽光に関連する需要をまとめて取り込む。
個人の戸建て住宅向け太陽光発電設備の出力は1棟当たり4キロワット程度。注文住宅の新築時か、既存の住宅を改装する際に取り付ける。消費者が再生可能エネルギーへの関心を強めているため、千葉県を中心に首都圏で担当者を通じた営業活動をより積極的にして、需要を掘り起こす。
今後は、太陽光発電設備を搭載した分譲住宅を設計し、供給することも検討する。同社の住宅は価格が安いことが特徴。従来は住宅の価格を抑えるために、太陽光発電設備は分譲住宅にはほとんど導入してこなかった。
住宅の価格だけではなくエネルギーの調達手段を広げたいと考える住宅購入者が増えていることからニーズに対応する。
今後、販売するマンションにも原則、発電設備を導入する。エレベーターや共用部の電灯などの電力を賄うことで共益費を抑えられることを消費者に訴える。
同社はメガソーラーの運営や企業向けの設置コンサルティングなどを手がけている。メガソーラーから個人用まで手広く手がけることで、設備メーカーから設備を購入する量が増え、メーカーからの仕入れ価格を抑えられることにもつながる。
新昭和の12年3月期の単体売上高は前の期比14%増の506億円で、注文住宅の受注棟数は6%増の1038棟だった。太陽光発電を総合的に手がける企業としてのブランドを確立し、収益力の向上や受注棟数の引き上げにつなげる。
(記事:日本経済新聞)