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2014年8月29日
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三菱マテリアル、リチウムイオン電池の電解液を再資源化する処理技術を開発

 三菱マテリアル株式会社が、リチウムイオン電池の電解液に含まれるフッ素化合物および有機溶剤を、安全かつ低環境負荷で再資源化する新しい処理技術を開発したことを、8月27日に発表した。

 これまでの一般的な処理方法では、電解液を400℃~1200℃で高温分解していたため、有毒なフッ素化水素ガスが大量に発生していた。その処理に複雑な工程が必要な上、フッ素を有効活用することが出来ないため、排水汚泥として処理するしかないという問題があった。

 しかし、新しく開発された処理技術は、電解液を100℃~200℃の低温で気化させることによって、フッ素化合物と有機溶剤を同時に回収することが出来るという。フッ素化合物は、加水分解などを行い純度の高いフッ化カルシウム粉末として回収され、フッ素化製品を製造するための原料として再利用される。一方、有機溶剤は気化後に冷却し、液体として回収。低温で加熱することによって有機溶剤は科学的に変化することがなく、補助燃料としてボイラーなどでの再利用が可能だという。

 2020年以降、普及の進んでいるハイブリッド車や電気自動車に搭載された大型リチウムイオン電池が寿命を迎え、大量に破棄されることが予想されており、環境保護や資源の有効活用の観点から低環境負荷で効率的なリサイクル技術が求められている。同社は、この新しいリサイクル技術を幅広く応用するべく実証研究を進めていく考えだ。

三菱マテリアル ニュースリリース
http://www.mmc.co.jp/corporate/ja/01/01/14-0827.html

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