次世代エネルギー最新ニュース

2012年9月29日
  • 仕切り
最新のニュース一覧へ

高圧太陽光発電を県内初導入 鯖江の繊維業者

 鯖江市の繊維業者が高圧の太陽光発電システムを導入し、十月一日から発電を始める。福島原発事故で自然エネルギーへの関心が高まる中、年間発電量を十一万キロワット時と予想。発電した電気の全量買い取り制度が七月からスタートしたが、専用の送電線などを備えた大掛かりな発電は県内で初めてとしている。
 導入するのは、同市神明町四丁目の福嶋織物。同社の福嶋昭二社長が太陽光発電の将来性に興味を抱き、国が進める全量買い取り制度で採算が取れるかを試算、自社工場での導入に踏み切った。
 一般家庭の太陽光発電は出力四キロワット程度が標準。高圧の太陽光発電システムは五十キロワット以上で、多数のソーラーパネルや発電した電気を変換する施設、専用の送電線も必要となる。同社の場合、二百三十三ワットパネル四百六十八枚を使い、神中工場(鯖江市神中町二丁目)の屋根延べ約六百平方メートルに敷き詰めた。発電出力は約百九キロワットになる。
 採算面をみると、国が決めた電気の買い取り価格は一キロワット時当たり四十二円。同社は初期投資として約五千万円を投じたが、年間発電量が十一万キロワット時を確保できれば、年間の売電額は四百六十二万円となり、十一年で償却できると試算した。
 施工したジャパンインペックスは「原発問題もあり、自然エネルギーに注目が集まっている」と話し、成果に注目している。福嶋織物の福嶋博志専務(36)は「今後は、こうしたシステムが増えていくのではないか。代替エネルギーについて、自分たちができることを行動に移すことが大切だ」と意義を話した。

(記事:中日新聞)

このエントリーをはてなブックマークに追加