政投銀、日立グループの太陽光発電関連事業に融資へ
日本政策投資銀行は28日、日立製作所グループによる再生可能エネルギー発電向けのリース事業を支援するため、31日付で融資を行う方針を明らかにした。金額は5億円前後で、年度内には、日立グループが行う別の再生エネ向けリース事業にも、数十億円の融資を行う方向だ。7月に政府が導入した固定価格買い取り制度を追い風に、再生エネ事業への新規参入が加速しており、政投銀はこうした動きを資金面から支える。
政投銀が融資するのは、日立製作所子会社の総合リース業、日立キャピタル。同社は、岡山県内の電気工事業者などが作る特別目的会社(SPC)が今月始めた太陽光発電事業に対し、太陽光パネルなどの発電設備を貸し出した。日立キャピタルによる発電設備購入費の一部を政投銀が援助する。
また、日立キャピタルは、平成24年度内に秋田県内で行われる風力発電事業にも設備をリースする計画で、政投銀はこの設備購入費用も融資する方向で検討している。政投銀は、環境対策に優れた企業に低利で貸し出す「環境格付け融資」制度を設けており、岡山、秋田両県の事業に対しても、同制度を適用する。
再生エネ事業には、イオンなどの小売り大手が店舗に太陽光の発電設備を導入するなど、業種を問わず新規参入が相次いでいる。
追い風は、政府が再生エネの普及を促すため、再生エネで発電した電力を事業者から買い取ることを電力会社に義務付けた固定価格買い取り制度。今年度の買い取り価格は、太陽光発電の場合、1キロワット時あたり42円だ。経済産業省が今年7月から9月に、同制度の対象として認定した件数は、全国で約10万件に上る。日立キャピタルが設備をリースする岡山県のSPCも、同制度を利用して中国電力に売電する。
こうした動きを支援するため、金融機関にも設備投資資金などを融資する動きが広がっており、今年8月には、みずほコーポレート銀行が九州の地方銀行などと協調し、プラント大手、日揮の大規模太陽光発電事業向けに約60億円融資することを発表している。
(記事:SankeiBiz)

