福岡に創エネとCO2ゼロのまちが誕生
数々の先進的な取り組みで注目されるアイランドシティ(福岡市東区)において、スマートハウスなどにより“CO2ゼロ”の暮らしを実現する戸建住宅エリア「照葉スマートタウン」(全178区画、6ha)が誕生する。10月31日(水)に福岡市長、積水ハウス社長も参加したまちびらきイベントが行われた。
ところでCO2ゼロといっても、家庭から排出するCO2をゼロにすることはできない。実際には同タウン内の178区画の住宅を省エネ仕様とした上で、排出相当分のCO2を削減できるだけの「エネルギーを創る」ことで相殺する形となる。
エネルギーは2電池で創る。2電池とは、太陽電池=太陽光発電パネル、燃料電池(ガスで電気とお湯を創る)の2つだ。さらに一部には蓄電池を加えた3電池の住宅として防災機能も高めるという。
このタウンは積水ハウスと九州住宅建設産業協会加盟各社によって建築されるが、実はスマートタウンには1つ難しい点があった。ルールがなければ、太陽光発電パネルや燃料電池が載らない家が建つこともある。そうなると街全体でのCO2ゼロが実現できない。同タウンの場合は九州大学が開発したプログラムにより導き出される計算で、CO2ゼロが達成できるだけの発電量であることが確認できて、はじめて建築できるというルールを敷くという。これは画期的なことだ。
さて気になるのは、お値段。上記の3電池を全部つけると約600万円、太陽電池と燃料電池の2電池だと約400万円もの追加費用がかかる。だが国や自治体からの補助金があり、3電池の場合は280万、2電池の場合は230万円。実質の負担増は3電池で約320万円、2電池で約170万となる。創られた電力は売電できるので、毎月の光熱費はグンと安くなるという。
また、このタウン全体で生まれる電力は、消費電力よりも多い試算となっている。つまり電力が余る。この余った電力は電力会社への売電を通じて、学校や事務所、近隣の住宅へ供給することもでき、電力供給不足のときにも対応できる「まち全体が発電所」となるのだ。さらに「TEMS」と呼ばれる街全体のエネルギー使用量を把握できる全国でも珍しい仕組みも導入される。
(記事:日刊スポーツ)

