
関西の金融機関、太陽光発電融資競う 買い取り制度が後押し
関西の金融機関が太陽光発電設備向けの融資を競っている。固定価格買い取り制度を背景に新設が相次いでいるためで、池田泉州銀行やみなと銀行は融資期間が買い取りと同じ最長20年のローンを扱い始めた。京都信用金庫は金利を通常の事業融資に比べて低く設定した。景気悪化で企業向け融資が伸び悩むなか、確実な収益が得られるとみて攻勢をかける。
関西では小規模な太陽光発電の新設が相次ぐ
池田泉州銀行の専用ローンは「太陽光発電応援ローン」。融資期間を買い取り期間と同じ最長20年に合わせた。金利は変動と固定の2種類。みなと銀行の「お誂(あつら)え」も最長20年に設定しており、固定金利で貸し出す。
国の買い取り制度で認定された太陽光発電は、最長20年にわたって固定価格で電力を買い取ってもらえる。融資期間がそれと同じであれば、導入企業はキャッシュフローなどの事業計画を立てやすくなる。
■リスク小さく
金融機関にとっても、太陽光発電は貸し倒れリスクが小さい利点がある。それを金利に反映したのが京都信用金庫の「パイロット発電」だ。最長20年の融資期間でありながら、融資額3千万円以内で年0.85%の変動金利に抑えた。
これらの専用ローンの出足はいずれも好調。池田泉州銀は10月末に受け付けを開始し、これまでに2件(約6千万円)を実行した。ほかに約50億円分の案件を抱えている。京都信金は引き合いの多さを受けて、当初11月末までとしていた受付期間を来年3月末まで延長することを決めた。
融資にとどまらず事業全体を支援するのが近畿大阪銀行の「再生可能エネルギー応援融資」。大和ハウス工業などと提携し、設計から太陽光パネルの敷設まで面倒を見る。みなと銀もリース会社や建設会社と組み、幅広い支援態勢を整えた。
遊休地に太陽光発電の設置を計画している中小企業は多い。ただ人材やノウハウが不足しており本業以外に手が回らないのが現実で、こうしたニーズに応える。
京都銀行は太陽光発電向けの専用ローンを持っておらず、通常の融資制度で対応している。関心の高まりを受けて、専用ローンの開発を検討し始めた。
(記事:日本経済新聞)