次世代エネルギー最新ニュース

2012年12月6日
  • 仕切り
最新のニュース一覧へ

韓国の太陽電池メーカー台頭-日本で相次ぎ受注

 韓国の太陽電池メーカーが日本の大規模太陽光発電所(メガソーラー)から相次いで受注している。LGエレクトロニクスは三井化学などが愛知県内に建設する国内3位規模のメガソーラー向け太陽光パネルの供給企業の1社に選ばれた。ハンファグループは丸紅子会社が大分市に建設する国内最大のメガソーラーに供給する。欧米、中国メーカーに続き韓国メーカーも日本市場で台頭している。

 

 LGエレは三井化学、三井物産などが愛知県田原市で2014年10月に運用予定のメガソーラーに供給する。出力は5万キロワットで京セラ、シャープ、ソーラーフロンティア(東京都港区)製も採用される。だが、LGの納入量は公表していない。

 ハンファが太陽光パネルを供給する丸紅子会社のメガソーラーは同8万1500キロワットで、使われるパネルは37万枚。芝浦グループホールディングス(HD)が福岡県みやま市に設置する同2万3000キロワットのメガソーラーにも供給する。ハンファは経営破綻した独Qセルズを10月に買収して世界3位に躍り出た。

 現代重工業はユーラスエナジーHD(東京都港区)が大阪府岬町に建設するメガソーラーに納入する。現代製が1万9000枚、三菱電機製が2万8000枚設置され、合計出力は1万キロワット。完成は13年8月を予定する。

 再生可能エネルギーによる電力の全量固定価格買い取り制度が始まった7月以降、経済産業省から設備認定されたメガソーラーの合計出力は100万キロワット。シェアでは日本メーカーが優勢だが、大型案件で韓国勢の採用が増えてきた。

 ウォン安による低価格と品質水準の向上が採用の決め手となっている。日本最大の大分市のメガソーラーのような象徴的な案件で実績を示せば日本メーカーにも驚異になりそうだ。

 

 【4―9月の太陽電池出荷量、76.8%の大幅増】

 太陽光発電協会(東京都港区)によると2012年4―9月の国内太陽電池出荷量は前年同期比76・8%の大幅増。起爆剤となったのが再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度だ。

 制度で買い取り対象となる発電事業用の出荷量は同6・4倍の10万キロワットに急拡大。住宅用も52・7%増の82万キロワットと伸びており活況だ。発電事業用は出力1000キロワット以上の大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設ラッシュにあるが、10キロ―999キロワットの中・小発電所も月を追うごとに増加。10月に経済産業省から発電用として設備認定を受けた施設の合計出力は31万6000キロワットで、10月のメガソーラーの認定量を超えた。中・小は住宅用の数倍規模で設置できる手軽さがあり、市場を盛り上げている。

 気になるのは13年度の買い取り価格。発電コストに合わせて価格は見直されるが、今のところ発電コストは大きく下がっていないため現在の42円が維持されそうだ。同協会の茅岡日佐雄事務局長は「今はブームでメガソーラーが増えているが、住宅用がメーンになる」ことを見込む。

(記事:朝日新聞)

このエントリーをはてなブックマークに追加