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2012年12月6日
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電機大手、太陽光発電の効率化着々-東芝、住宅用20.1%に向上

 電機大手が太陽光発電の効率化に向けた技術開発を強めている。東芝は住宅用太陽光発電システムの変換効率を20・1%に向上。シャープは研究レベルの非集光太陽電池セルで変換効率37・7%を達成した。太陽エネルギーを電気として有効利用できる割合を示す変換効率は、数値が大きいほど高性能とされる。各社は変換効率を高めるための研究開発に注力している。

 東芝は5日、住宅用太陽光発電システムの新製品を17日に発売すると発表した。変換効率は20・1%で従来より0・8ポイント向上。米サンパワーのパネルを採用しており、出力は250ワット。

 同社によると国内で流通している太陽電池モジュールの平均効率と比べて年間5割多い発電量が得られるという。モジュールの価格は19万1625円。最終消費者は工事費込みで、1キロワット当たり50万―55万円で購入できる見込み。

 東芝は住宅用太陽光発電システムを強化しており国内シェアを2011年度の7%から15年度に15%に引き上げる方針。

 シャープは同日、三つの光吸収層を積み重ねた化合物3接合型太陽電池セルで、37・7%を達成したと発表。研究レベルの非集光太陽電池セルでは高い変換効率になるという。光を電気に変換する面積比を増やした。開発成果を生かし、今後は人工衛星などの宇宙用などで実用化を目指す。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「革新的太陽光発電技術研究開発」の一環。化合物太陽電池セルはインジウム、ガリウムなど2種類以上の元素からなる化合物を材料とした光吸収層を持つ太陽電池。シャープは11年に変換効率36・9%を達成している。

(記事:朝日新聞)

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