メガソーラー建設に「ストップ?」最新動向と今後の展望
太陽光発電に関するPVN24独自のニュースを特集記事として配信!
東日本大震災による原発事故以来、エネルギーの安全供給について著しく関心が高まっており、昨年7月よりスタートした全量買取制度の影響もあって、関連事業への参入が日々過熱しています。
この制度は、太陽光をはじめ、風力、水力など再生可能エネルギーを用いて発電した電力を、経済産業省が定めた買取価格に基づいて、電力会社に買い取りを義務付けるというものです。
事業者に配慮した買取価格が、様々な企業の新規参入を後押ししていると言えます。
ブームと言っても過言ではないほど、全国的にメガソーラーの建設ラッシュが相次いでいる反面、事業化の遅れや計画を断念するといったケースが増加してきており、大きな問題となっています。
このページでは、それらの原因と今後のメガソーラー事情について解説していきます。
事業化の遅れ、計画断念の主だった理由
パワーコンディショナーの供給不足
太陽光発電システムを構成する機械の一つに、パワーコンディショナーがあります。
これは太陽光パネルが発電した直流電力を交流電力に変換するためのもので、システムの中核を担っているといっても過言ではありません。
住宅用、産業用ともにパワコンはほとんど国産のものが使用されていますが、パワコンも例外ではなく、急激な需要増のため、生産・供給が追いついていないのが現状です。
国産品が品薄状態の今、外資系メーカーは今がチャンス!と、続々と国内市場に参入し、国内メーカーを脅かしています。しかし、年々外資系メーカー製品も品質が向上されてきているため、外資系メーカー製のパワコンを選択するのも一つの手かもしれません。何にせよ、今から発電事業を始めようとする方は早めに手を打ったほうが賢明でしょう。
発電事業者間の競争激化による土地不足
公益財団法人自然エネルギー財団が発電事業者を対象に行ったアンケートによると、回答のあった79社のうち45%もの事業者が、事業計画を断念した理由として、「土地の調達が出来なかった」と回答しています。
この背景には、太陽光発電所用地争奪戦の激化があり、発電に適した土地は既に誰かに押さえられているのが現状です。土地探しには労力やコストがかかることから、全国ネットワークのある企業がどうしても有利になるため、そうでない企業は苦戦を強いられています。
電力会社による系統接続の拒否、制限
先日、経済産業省は北海道で接続量が限界に達したエリアの事業者に対し無制限で発電抑制ができるようにする省令を発したことがニュースになりました。
このように明確な理由がある場合は仕方ありませんが、明確な理由もなく電力会社に系統接続を拒否された、あるいは制限をかけられた発電事業者も少なくないようです。
計画時点で設備容量を半減せざるをえなかった、連携工事費の負担が重いなど、電力会社絡みの問題から計画を断念する事業者も決して少なくありません。
大きな理由としてはこの3つがあげられます。
全国的に事業化の遅れ、計画の断念が相次ぐ今、抜本的な対策が急務となっています。
メガソーラーの今後
変わらずメガソーラーの建設計画は相次ぐことが予測される
新たに2013年度の買取価格が発表されましたが、その金額は非常に優遇されています。
システム設置に要する時間、環境への負荷の少なさなどに加え、採算の取りやすいメガソーラー発電所は、今後もペースが衰えることなく増加していくと予測できます。