発送電分離とは、電力会社の「発電部門」と「送・配電部門」の事業を分離すること。
発送電分離を採用することで、「消費者自身の意思で電力会社を選択できるようになる」 「新規事業者の参入によって競争原理が生まれ、料金単価が安くなる」といったことが予測されています。
一方で、市場原理が生まれることから電力の安定供給が損なわれる可能性や、 不当な料金の値上げが行われるのではないかといった問題点も指摘されており、 慎重な検討が求められています。
アメリカやヨーロッパでは、1990年代以降に発送電分離が進められてきました。 一方、日本国内においては、電力会社10社以外の事業者でも、一定の条件を満たせば電力を供給することが認められていますが、 その際には既存の電力会社の系統を使用するように定められており、発送電分離は全く推進されていないのが現状です。
ただし、近年になって再生可能エネルギーの導入が促進されていることや、改正電気事業法が成立したこともあり、 今後は2016年を目処に電力小売の全面自由化が進むのではないかと予測されています。