
デンセン、太陽光発電システム販売 事業者向けに
電設資材卸のデンセン(長野市、若林順平社長)は事業者向けの太陽光発電システム販売事業を本格的に始める。太陽光発電など再生可能エネルギーへの関心が、固定価格買い取り制度で急速に高まっていることに対応。仕入れ資金の調達や人員の増強で、これまで戸建て向けのパネル設置で蓄積したノウハウを生かす。
システムを販売する開発営業部の人員を昨年から4人増員し、16人体制とした。営業に加え、設置する現場を調査して図面を作製するといった作業も自社で一貫して対応する。仕入れに充てる資金として商工中金から1億円をこのほど借り入れた。今後成長が期待できる分野で、事業拡大を目指す企業向けの「成長戦略総合支援プログラム」を活用した。
太陽光発電システムに加え節電につながる計測機器なども併せて販売する。同システムの販売を通じ顧客との接点を直接持つことで、他の商材の販売にもつなげる。
太陽光発電には異業種などからも参入が相次ぐ。同社は戸建て住宅向けは10年以上前から手掛けている。発電効率や屋根の形状などから最適な設置方法を提案するなど、過去のデータの蓄積が強みという。
固定価格買い取り制度が7月に始まったことから、事業者からの問い合わせが「爆発的に増えている」(同社)という。同社によると規模の大きなシステムを導入した場合、投資費用は6~7年で回収できるとしている。
太陽光関連事業の2012年3月期の売上高は約8億円。会社全体の売上高の1割を占めた。今期は13億円以上を見込む。住宅着工の低迷による本業の電設資材販売の伸び悩みを補う。
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経済産業省がこのほどまとめた9月末の固定価格買い取り制度の状況によると、長野県内の設備認定件数は3279件で、1件を除きすべてが太陽光発電だった。気象条件の良さなどから件数は都道府県別で全国で11番目に多い。
一方、1000キロワット以上のメガソーラーは1件にとどまるなど、他県に比べて小規模な設備が多い。
(記事:日本経済新聞)