
桶川市の「フロート式」メガソーラー事業 都内の施工会社を選定
桶川市は、同市赤堀二の東部工業団地内の後谷調整池で計画しているフロート式のメガソーラー(大規模太陽光発電所)の設置・運営事業者について、太陽光発電システム施工会社「ウエストエネルギーソリューション」(東京都新宿区)に決めたと発表した。発電出力は約一・四メガワットで、来年六月に運転が始まる見通しという。
市によると、発電用のパネルなどを水面に浮かべるフロート式で出力が一メガワット(千キロワット)以上の太陽光発電所は珍しく、市は「欧米では普及しているが、日本初ではないか」と話している。
市は「メガソーラーの設置には広い土地が必要で、国内では今後土地が足りなくなるかもしれない。調整池や貯水池などの水面も利用できれば、再生可能エネルギーの普及がさらに進むのでは」と期待。市には、県外の自治体からも問い合わせがあるという。
市によると、ウエスト社は、調整池約五万平方メートルのうち半分近い約二万平方メートルを使用する予定。年間発電量は一般家庭の四百世帯分にあたる百四十五万キロワット時を見込み、東京電力に売電する。
ウエスト社はメガソーラーのほかに、調整池の周囲に学習施設「ソーラー教室おけがわ」(仮称)を整備し、見学者に太陽光発電の仕組みを学んでもらうプロジェクターなどを設置する予定。実際の発電量などを表示するモニタリングシステムも備え付ける。
市はウエスト社から調整池の使用料として、一平方メートル当たり百五十円を毎年徴収する。二万平方メートル分だと約三百万円になり、市は一般家庭の太陽光発電設備設置への補助金などに充てることを検討する。
市による事業者公募には二社が応募し、二十二日の選考委員会でウエスト社に決まった。同社は「(池に浮かべるパネルなどの)安定と防水がポイント。海外のメーカーとも協力して事業を進めたい」と話している。
(記事:東京新聞)