オリオンが売電参入 13年度から
オリオンビール(嘉手苅義男社長)は2013年度から国の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度を活用して、新たに発電・売電事業に参入する。名護市で2カ所、糸満市に1カ所用地を確保し、合計5メガワットの太陽光発電施設の設置を計画。国や沖縄電力への申請・契約手続きを経て、早ければ1年後にも事業開始できる見通し。投資額は1メガワット当たり3億円の計15億円を予定。年間2億円の収入を見込んでいる。
7月からスタートした再生エネ買い取り制度で国は、初年度1キロワット時42円の買い取り価格を設定。来年度以降はこの価格が下がる可能性があることから、オリオンは同価格適用を受けられる13年3月までに国の設備認定、沖電との売電契約を目指している。
少子化や若者のアルコール離れでビールの販売市場が縮小する中、同社はビール・飲料事業以外の新たな収益源を模索。同社の利益剰余金のうち現金が約170億円(3月末時点)あり、資産の有効な投資先としても売電事業のリスクは高くなく、投資効率が良いと判断した。10年間で投資分を回収。利回りは用地賃借代を差し引いた場合でも6~7%あるとみている。
オリオンはことし初旬から売電事業参入を検討、県内各地で設置場所を調査してきた。用地は1メガワットの設備設置に1万~1万5千平方メートルの敷地が必要という。来年度以降の買い取り価格を見極めた上で規模拡大も検討する。同社は7日、臨時株主総会を開き、発電・売電事業を盛り込んだ定款変更を承認した。
県内でも、固定価格買い取り制度スタート以降、事業者による売電目的の申請は増えつつあるが、メガソーラーの設備認定は9月末時点で1社(現在申請中2社)。メガソーラーの設置には、企業の資金力に加え、一定規模以上の用地確保が必要。買い取る側の沖電の設備余力の問題もあり、県内におけるメガソーラーの広がりは、本土に比べて限定的とみられている。
(記事:沖縄タイムス)

