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2012年10月3日
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メガソーラー5日採決 富士見町会

 富士見町は2日、町内で計画中のメガソーラー(大規模太陽光発電所)事業に着手するための予算を盛った今年度一般会計補正予算案を、開会した町議会臨時会に提出した。事業は町設立の富士見メガソーラー株式会社(FMK)が、町土地開発公社保有地に建設する施設で起こした電気を売電し、公社の借入金圧縮に役立てる内容。5日の採決で事業として実施するかどうかを判断する。

 本会議前には全員協議会を開き、町側が新たに決まった部分などを中心に事業内容を改めて説明した。事業実施については議員の間に賛否両論があり、小林一彦町長は「町長生命を懸けるつもりでやっている。否決されれば、それなりの覚悟でいる」と強い決意を示した。

 全協で新たに説明したのは、町とFMKの間で結ぶ「匿名組合」の契約について。商法に認められた手法で、契約を結ぶことで事業に伴う納税額を減らし、町への配当を増やすことができる―とした。需給バランスを取るため電力の買い取りが制限される「出力抑制」については「基本的に心配はなく、万が一起きても会社運営に支障はきたさない」と説明した。

 全協と本会議では議員から多くの質問が出た。「町民の理解が十分でなく、可否判断の場を先に延ばしてはどうか」との質問には、小林町長は「できることはやってきた。買い取り制度の期限を考えると先延ばしは難しい」と答えた。事業を通じた新エネルギー推進の考え方を問う質問には「事業で生み出した収入は家庭の太陽光発電促進や公共施設の蓄電設備整備などに使うことも考えたい」と述べた。議員からは「多額な予算を一度に計上せず、必要な額だけその都度予算化してはどうか」との意見もあった。

 臨時会に提案した予算は9700万円で、町が事業に出資を予定する2億円のうちの約半分。可決されれば、FMKに全額出資し、用地の測量設計費や、発電設備を電力会社の送電システムに接続する系統連系の関連費用などに充てる。臨時会は3~4日を休会とし、5日に討論と採決を行う。

(記事:長野日報)

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